扇暍

扇暍

扇暍とは暑熱に苦しむをあふぎさますと申しまして、 暍はあつさあたりを云うそうです。

淮南子人間訓に 「武王蔭扇暍人於樾下、擁而右扇之、而天下懐其徳」 とあり王様が木陰に暑気当りの者を小脇に抱えて扇いで、 その徳でもって天下をも抱えるってなもんでしょう、 又梁簡文帝大法頌には 「解網放禽、穿泉掩胔、起泣辜之澤、行扇暍之慈」 とありまして網に掛かった鳥を逃がして、 一寸こちらは良くわからないんで宿題にしたいんですが、 泉を掘って死肉を蓋ってやると、 でもって罪の沢に泣き乍に立ち扇暍の慈しみを行うってぇことですが、 扇恩なんてぇ言葉も在り、 劉禹錫、早秋雨後寄楽天詩ってんですから彼岸も過ぎて凌ぎ易くなった頃、 雨上がりのあばら家で白居易さんがこんなことぉ思ったんでしょうな、こいつには 「簟涼扇恩薄、室静琴恩深」 てぇ件があるそうで隙間っ風が入ぇる処じゃぁ扇がれたって有り難味ぁ無ぇってもんだが、 こう静かだと琴の音は淋しい心に染みるねぇってことでしょうか、 扇恩とは扇で送る風のめぐみのことだそうです。

孰れ扇暍とは暑さに苦しむ人を慈しみの心で以って扇いでやるてぇことのようで、 向日葵ってぇと夏の暑い盛りに終日太陽に向かって威勢の良いとこ許りが取り上げられますが、 そうは云ったってはなまるとしちゃぁ僕だって熱いのに向日葵さん大変でしょうってなもんで、 首は回るが其の場所から動く事ぁならねぇ向日葵に 扇恩を施すぐれぇしてお遣んなさいなってもんでしょうか、 可哀相だから扇いであげるよってぇ訳でしょう。(2006/8/16)

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